「九月が永遠に続けば」沼田まほかる 著

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20111013_2402219<あらすじ
高校生のひとり息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。息子の行方を必至に探すうちに見え隠れしてきた雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が佐知子の恐怖を増幅する。悪夢のような時間の果てに出口はあるのか-。人の心の奥底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて読書界を震撼させたサスペンス長編。

<感想>
沼田まほかる氏の作品はこれで3冊目。
アタマから最後までずっと、黒くて重い雲で覆われている、閉塞感ばかりの作品でした。
私にとっては、共感や理解などを超えてるホラーサンスペンスなので小説の内容について感想を書くのは非常にむずかしいです。だって、ひとり息子の文彦が、10代の青年らしい一途な感情で純真無垢に亜沙美を愛していることを母親の佐知子が達観したように受け入れていたこと自体理解できませんから。結局、「亜沙美」と言う女性が、男にとっては魔性の女で彼女に捕らえられたらあらがえなくなるほどの魅力を持っていること。それは女性の目から見てもそうであることがすべてなのかと思います。
余談ですが、子どもが小さかった時、ちょっとした買い物にサイフだけ持ってコンビニに行ったりするとき、ふっと(このままココから失踪したらどうなるんだろ?)などと考えたことがあります。私には(失踪願望)があるんですね。この話を数人の友だちにしたら「わからん」と言われたことがあるので、誰でも持つ感情ではないみたいですけど。
「失踪」が題材になっている小説にナゼか惹かれるのはこのせいかも知れません。
 

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