日本一しあわせな どうぶつ病院の話
<あらすじ>
愛には愛で応えてくれるー
人生で大切なことはすべて どうぶつから教わった。
どうぶつと人が織りなす18のストーリー
「どれほど努力しても、終わりは愛するものの死を意味する。強い心がなければ、投げ出さずに最期を看取ることができない。もしかしたら、最初から強い心をもつ人はいないのかもしれない。愛するどうぶつを介護するのに必要だからこそ、人は強い心をもつようになるのだ。だから、最期までしっかり世話をして看取った人は、大きな悲しみに襲われるが、必ず乗り越える。そうして、そのどうぶつと過ごした日々は、とびきり楽しかった思い出として、誰かを思いやり愛することのすばらしさを保証してくれるようになる」(第五話「ナナの子育て」より)
<感想>
そらの かかっているどうぶつ病院の待合室に置いてあった1冊で、その動物病院の副院長である北尾洋子先生執筆の現実に基づく物語です。
貴子先生(たぶん作者の設定)と若い獣医師(小椋くん)が語り手になって交互に話を進める短編小説です。
この物語を読もうと思ったキッカケは、裏表紙に書いたあった<あらすじ>が心にグッときたからです。
そらが11才を目前にして、はじめて体調が悪くなりました
今までも、そらを看取るのは私だと思っていたし、想像出来ないながらも覚悟はしていたつもりでした。
しかし、そらの呼吸が夜中におかしくなり、夜間救急病院に走り、肺炎と診断され、その後T動物病院で「相当心臓が悪いで」と言われる出来事が起こり、そらを飼って12年、初めてそらの命について考えました。
そらは私にとって、ほんとうの本当に言葉にできないほど大切で、そらを失うなんて考えられないし、それに耐えられそうにない自分に気づいてしまい、ほんとうに怖くなりました。
(耐えられるんだろうか・・)
しかし、その時はいつか来ますし、そらを家族の一員にした以上、それは私の責任です。
覚悟を少しずつでもしていかないとイケナイと思っている時に出会ったのがこの本だったのです。
物語なので、やや美化されているところはあるでしょうけれど、どの短編にもどうぶつ病院で繰り広げられるリアル感があり、納得したり、共感したり、感心したり驚いたりでした。
奇しくも、長男がこの世界で働くために今、大学で勉強しているところです。
動物といえども「大切なひとつの命」。
大病をしても、大怪我をしても、治療とその後のケアで、動物は生きていけるんだと言うことも知りました。
飼い主の心に寄り添える獣医師になって欲しいと、愛するそらを持つ飼い主として思った1冊でした。
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